|
■Zonotone 株式会社前園サウンドラボ 代表取締役社長 前園 俊彦氏
私のケーブル開発、その第2幕です。ケーブル作りというのは困難ではあるけれど、夢があるんですね。私はオーディオのモノ作りに半世紀も従事してきましたが、その後の20年はアナログのカートリッジ作りに携る歳月でした。そこで知ったのは、線材の重要さ。6N銅、7N銅、8N銅、6N銀などを中心に、それぞれの素材に秘められた音の息吹を体感しました。その結果、「純度」「複合ハイブリット線」という発見にたどりついたのですが、同時に、構造の重要さ、《作り精度》の保持といったケーブル開発の要点も熟知しました。オーディオの要諦はピュア&エネルギーにあり。その確信を私にもたらしてくれたのも線材でした。そして、日本で初めて7Nオーディオケーブルを商品化し、大成功をおさめたのは1990年秋のこと。以来、8NCu、6NAgなど、最高級グレードの素材を採用したA&Vケーブルを次々と開発し、それによって日本のケーブルは革新を遂げたと自負しています。
昨年来、第一線を退いていたところ、「あなたの作るケーブルなら販売したい」とトライオードより声をかけていただきました。思えば、50年にわたってお世話になったオーディオ業界です。かねがね、ご恩返しをしたいという思いを抱いていましたから、私の情熱は再び沸々と湧いてきました。正直なところ、私にはケーブル作りで、まだやり残したことがありました。それは、熟考してきたDMHC構造を更にDuO方式に前進させ、「適価でよいものを提供する」ということ。もちろん、「適価」というのは、最終的にはユーザーが判断することですが、私の考えている「適価」とは、金満家の特殊な趣味ではなく、むしろ一般生活者の趣味としてのオーディオを位置づけるモノづくりをしたいということです。その具現化のため、このたび立ち上げたのがZonotoneブランドです。
この新ブランドから誕生するケーブルは、いわば私の「理論と経験の集大成」でもあります。その先がけとなるのは、GrandioSeriesとMeister Seriesのインターコネクトケーブル、スピーカーケーブル、電源ケーブルです。また、同時にハイエンド極太のケーブルを自分で簡単に端末処理できるアクセサリーも開発しました。生産者が誰であるかわかる。これは、生鮮野菜や果物では今や珍しくありませんが、これからはオーディオもそうあるべきではないかと考えました。引退後は自分の使う欲しいものだけを作ろうと考えていましたが、うれしいお言葉にもう一度頑張る決心をしました。日本のケーブルに新風を巻き起こす前園サウンドラボのZonotoneに、ご注目とご期待のほど、よろしくお願いします。私は、作り手がわかるケーブルを世に問いたかった。
(上記記事はトライオードHPに掲載中の記事を転載いたしております)
|