モノラル盤にはモノラル用カートリッジの使用がベストです。左右にぶれず、確実にスピーカーの中心に定位する図太いモノラルサウンドの再生にはCG 25 Di MkⅡをお勧め致します。本機の最大の特徴は、何といってもその構造と歴史にあります。CG25シリーズのルーツは、オルトフォンが自社で開発・製造したカッターヘッドで刻んだラッカー・マスター盤を再生するべく1948年に開発したType-Cという業務用カートリッジまで遡ります。このType-Cは当時のプレイバック・スタンダードと言っても過言ではありません。SPUの誕生よりはるか昔、ステレオ再生が実用化される以前のモノラル時代には本機がLP盤量産前のサウンドチェックに用いられ、またラジオ放送に際しても本機からの信号が欧州各地の放送網に乗せられていました。これを復刻したCG 25 Di MkⅡおよびSP盤専用のCG 65 Di MkⅡは、オルトフォンが現在製造する歴史的遺産の中でも最古のものにあたります。 なおCG 25 Di MkⅡはステレオ再生の規格が完成する前に基本設計が行われた製品につき、カンチレバーは左右方向にのみ動く完全なモノラル再生専用機です。ステレオ盤を再生するとトレースできずに音溝を破損する恐れがありますので、十分にご注意ください。
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